おはようございます。知財実務情報Lab.管理人の高橋政治(弁理士・技術士)です。
先日の2022/8/4にYoutubeチャンネル「知財実務オンライン」に呼んで頂き、「明細書・意見書を書く人なら絶対に読まなければならない書籍7選」という題目でお話しさせて頂きました。
今日は、その話の要点を書かせて頂きたいと思います。
要点だけでなく、全体を知りたい方はYoutubeから「知財実務オンライン」を検索して頂いて、該当動画を視聴して頂ければと思います。
今回挙げさせて頂いた7つの書籍の各々を一言で表すと、以下の通りです。
No.1 これを読まなきゃ始まらない分厚い本
No.2 無料は信じ難い。文章の書き方はこれだけで概ねOK
No.3 発明の把握からクレーム作成までをまとめた良書。初中級者向け
No.4 外国出願を考慮した明細書の書き方を学ぶ名著。中上級者向け。
No.5 化学・バイオ系なら必須、最高の1冊。しかし・・・
No.6 「20年も早く生まれてしまった天才」のような本
No.7 最後に・・・
それでは各々について説明させて頂きます。
(ちなみにNo.1~No.7の番号に意味はありません。No.1が一番重要ということもありません。)
No.1 これを読まなきゃ始まらない分厚い本
言わずと知れた審査基準ですね。
これは絶対に読まなければなりません。
もし、貴方が初心者ならば、いつでも読めるように製本して机の上においておくと良いと思います。
先日、私は審査基準とハンドブックを製本したのですが、両方で5000円もしませんでした。
例えば意見書を書くのであれば、審査基準を開けて確認しながら、なるべく審査基準で使われている文言を使いながら意見書を書くと良いと思います。
No.2 無料は信じ難い。文章の書き方はこれだけで概ねOK.
ネットで検索して頂ければ簡単に見つけることができると思います。
無料でダウロードすることができます。
25ページの書籍(資料)ですが、明細書を書く上で必要な「文章の書き方」に関する知識は網羅されていると思います。
なお、「文章の書き方」についてはこの書籍(資料)でOKだと思いますが、明細書の全体構造についての考え方を学ぶための書籍を、私は現時点で見つけられていません。ちなみに私は明細書の全体構造は以下のような「樹形図」を意識しています。
No.3 発明の把握からクレーム作成までをまとめた良書。初中級者向け。
クレームを作るための考え方やテクニックがつまった1冊です。
発明者から得た情報から、技術的思想を構成する方法も記載されています。
現在、絶版となっているため、古書を探すしかありません。
書籍の内容は、本質的には古くなっていません。
ぜひ、復活させてほしい本です。
No.4 外国出願を考慮した明細書の書き方を学ぶ名著。中上級者向け。
日本、米国、欧州、中国の法制、プラクティスを横並びで比較して、日本、米国、欧州、中国で権利化を図る場合(パリ優or PCT)、日本語明細書をどのように書いておけば効率的なのかを検討し、どの国でも通用する最小公倍数的な日本語明細書の書き方を提案してくれています。
非常にためになる書籍です。
No.5 化学・バイオ系なら必須。最高の1冊。しかし・・・
非常に重要なテクニックが散りばめされています。化学・バイオ系の方なら絶対に読むべきです。
この書籍は初版出版以来、約2年に1度改訂され、改訂されるたびに判例などが追加されてて分厚くなっています。
そして、現在では物凄く分厚い書籍(772頁)となっていて、厚すぎることが最大のネックになっています。
したがって、初版(約300頁)などを入手し、これを繰り返し読み、最新版は重要な箇所のみ読むことをお勧めします。
No.6 「20年も早く生まれてしまった天才」のような本
パラメータ特許の本質が分かる名著です。
化学系のみならず、機械系の方も読んだ方が良いと思います。
本書は平成14年に初版が出版され、そのまま絶版になってしまいました。
20年近く前の本ですが、内容は全く古くなっていません。
出版されるのが早すぎた本だと思います。今出版されれば、もっと注目されていると思います。
No.7 最後に、、、1つだけ挙げさせて下さい
スミマセン、私の書籍です。
進歩性欠如への対応パターンはほぼ3つですので、その3つの対応パターン毎に意見書フォーマットを掲載しています。事案ごとに3つのいずれかのフォーマットへ当てはめれば、意見書が出来上がるはずです。
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高橋政治(知財実務情報Lab.管理人、弁理士・技術士(金属部門
)、ソナーレ特許事務所 パートナー)
専門分野:特許の権利化実務(主に化学系、機械系)