田村 良介

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顧問契約のすすめ

こんにちは、知財実務情報Lab.専門家チームの田村良介(弁理士、ライトハウス国際特許事務所)です。本日は、弁理士との顧問契約について、お話をしたいと思います。 顧問契約というと、弁理士にいつでも相談することができる、というタイプの契約であることが多いように思いますが、私がお勧めをするのは、定期的な会議・打ち合わせをすることを前提とした顧問契約です。特に、中小企業、スタートアップ企業には、お勧めの契約です。 このタイプの顧問契約をお勧めする理由についてご説明します。 例えば、弁...
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主引用文献に周知技術を適用して、発明の進歩性を否定された場合の対応について

こんにちは、知財実務情報Lab.専門家チームの田村良介(弁理士、ライトハウス国際特許事務所)です。本日は、進歩性についてのお話です。拒絶理由通知において、主引用文献に周知技術を適用して、発明の進歩性を否定されることがあります。特許・実用新案審査基準 第III部第2章第2節「進歩性」(以下、特許・実用新案審査基準「進歩性」)によれば、「周知技術」とは、その技術分野において一般的に知られている技術であって、以下のようなものを言うようです。 (i)その技術に関し、相当多数の刊行物又...
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ビジネス関連発明のヒアリング

こんにちは、知財実務情報Lab.専門家チームの田村良介(弁理士、ライトハウス国際特許事務所)です。本日は、ビジネス関連発明のヒアリングをする際に、私が行っていることをご紹介したいと思います。一事例として参考にしていただければと思います。 発明ヒアリングの大きな流れは、以下のとおりです。 ①ビジネスモデルの全体像、技術的な工夫点を把握する↓②特許の対象となり得る複数の発明をピックアップする↓③調査、出願の方針を決める それでは、1つ1つ見ていきましょう。   ①ビジネスモデルの...
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ライバル会社と差をつけるためのビジネスモデル特許 ~ 圧倒的に広い権利を取得するためのクレーム作成、中間対応の考え方、ノウハウ ~ 【1/26開催セミナー】

こんにちは、弁理士・技術士の高橋です。 ”ビジネスモデル特許の権利化の奥義”(?)を田村先生に教えてもらいましょう。 発明のヒアリング、発明の捉え方、クレーム作成、中間対応のポイントまで、”ビジネスモデル特許の権利化の全て”を解説して頂きます。 また、「どうすれば権利が取れるのか」はもちろんのこと、その前提としての「どのようなビジネスモデル特許を取得すれば事業に資するのか」の考え方についてもご教示頂きます。 企業知財部の方はもちろん、特許事務所の方にも役立つと思います。 ビジ...
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審査における、請求項に係る発明と主引用発明との課題が異なることについての考察

こんにちは、知財実務情報Lab.専門家チームの田村良介(弁理士、ライトハウス国際特許事務所)です。 本日は、審査における進歩性の判断についてのお話です。ご存じのように、近時の裁判例では、請求項に係る発明の課題と、主引用発明の課題とが異なるものであることを理由の1つとして、進歩性が否定されない(つまり、進歩性が肯定される)と判断されることがあるようです。それでは、特許庁の審査においては、どうなのでしょうか。   特許・実用新案審査基準には、請求項に係る発明の課題と、主引用発明の...
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要素の組み合わせと、発明の捉え方

こんにちは、知財実務情報Lab.専門家チームの田村良介(弁理士、ライトハウス国際特許事務所)です。 アイデアをつくりだすための原理と方法について書かれた「アイデアのつくり方」という書籍があります。1965年に初版が刊行され、現在も読まれている、ジェームス・W・ヤング著の古典的名著です。50ページほどの本で手軽に読むことができますので、ご興味がありましたら、是非ご一読ください。  この「アイデアのつくり方」では、「アイデアとは既存の要素の新しい組み合わせ以外の何ものでもない」と...
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ビジネスモデルを、ビジネスモデル特許で保護するには?

 とある中小企業の経営者から発明相談を受けています。 社長面白いビジネスモデルを思いついたので、特許出願を考えています。弊社では、自社のWebサイトでピザの注文を受け付けて宅配をしています。今回、思いついたのは、ピザの注文を受けてから30分以内に配達できなければ、お客様にクーポンを差し上げる、というアイデアです。クーポンは、データで提供され、次回にピザを注文時に使用できます。 社長注文を受けてからピザをお届けするまでに時間がかかった場合に、特典を提供する、ということをお客様に...
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異なる課題を解決する2つの発明特定事項を1つの請求項に含むことについての考察

こんにちは、知財実務情報Lab.専門家チームの田村良介(弁理士、ライトハウス国際特許事務所)です。 ついに完成! これまでにない新しい筆記具について、特許出願をすることに。 検討した結果、以下のように、特許請求の範囲を記載しました。 【特許請求の範囲】【請求項1】軸と、軸の中心部に設けられる筆記芯とを備える、筆記具。【請求項2】軸の長手方向に垂直な断面が多角形である、請求項1に記載の筆記具。【請求項3】軸の一端に消しゴムを備える、請求項1又は2に記載の筆記具。  請求項1は、...
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格別の困難性はなくても、進歩性を有しないとは限らない

こんにちは、知財実務情報Lab.専門家チームの田村良介(弁理士、ライトハウス国際特許事務所)です。 本日は、進歩性のお話です。 特許出願について、審査対象の請求項に係る発明は、○○を発明特定事項として有しているのに対し、引用文献に○○が記載されていない場合、請求項に係る発明は、新規性を有します。ただし、進歩性を有するか否かが問題となります。 この場合、発明特定事項「○○」が、請求項に係る発明と、引用文献に記載された発明との相違点となります。このような場合において、引用発明にお...
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分割出願を利用した権利化の事例(発明の名称「ゲーム管理装置及びプログラム」)

こんにちは、知財実務情報Lab.専門家チームの田村良介(弁理士、ライトハウス国際特許事務所)です。 日本の特許制度では、1つの特許出願をもとに、新しい出願を分割して出願をすることができます。分割出願を利用することで、親出願の請求項に記載された発明とは異なる発明について、審査を受け、特許を取得することが可能となります。 今日は、特許第5814300号(特許権者:株式会社コナミデジタルエンタテインメント)をもとに、分割出願について考えてみたいと思います。   特許5814300号...