2024-06

田中 研二

阻害要因を導入する補正とは

 こんにちは、知財実務情報Lab.専門家チームの田中研二(弁理士)です。 今回は「阻害要因を導入する補正」という進歩性のテクニックをご紹介します。 ある程度経験を積まれた方にはお馴染みの手法かもしれませんが、意外と言語化されていない気がするので、まとめてみました。    1.「どんな補正がよさそうか」の判断基準拒絶理由通知で新規性欠如や進歩性欠如が指摘された場合、出願人が取り得る選択肢は、 (1)補正せずに反論する(2)補正をするの二択です。 しかし、「補正をする」といっても...
高石 秀樹

【 判例研究 】引用文献における実施例から一部の構成を抜き出して引用発明とできず、当該一部の構成以外の構成を捨象することも容易想到でないとして、進歩性が認められた事案

こんにちは、知財実務情報Lab.専門家チームの高石秀樹(弁護士・弁理士、中村合同特許法律事務所)です。 今回は、審決取消請求事件(引用文献における実施例から一部の構成を抜き出して引用発明とできず、当該一部の構成以外の構成を捨象することも容易想到でないとして、進歩性が認められた事案)-知財高判令和5年(行ケ)第10040号「トレーニング器具」<清水響>-=知財高判令和5年(ネ)第10041号<清水響>(原審・大阪地判令和4年(ワ)第3847号)について解説します。 お知らせ言わ...
高橋 政治

中間対応において「除くクレーム」を検討するタイミングについて

こんにちは、知財実務情報Lab.管理人の高橋(弁理士・技術士)です。 今回は中間対応において「除くクレーム」を検討するタイミング、すなわち、どのような場合に「除くクレーム」を検討することになるかについて書きたいと思います。 なお、以下では中間対応として「進歩性なしの拒絶理由通知書をもらったとき」について書きますが、「新規性なし」の拒絶理由通知書をもらったときも、ほぼ同じになると思います。  まずは、「進歩性なしの拒絶理由通知書をもらったとき」に、どのような思考手順で検討するか...
加島 広基

(無料)非IT企業の知財担当のためのITソフトウエア特許入門 〜 権利化業務から権利活用術まで 〜 【8/7開催セミナー】

こんにちは、知財実務情報Lab.管理人の高橋(弁理士・技術士)です。 最近、化学系や機械系の会社でも、ITソフトウエア系の特許を出願するようなケースがありますね。 ITソフトウェア系を扱った経験があまりない知財部の方、特許事務所の方であっても、発明相談を受けることがありますので、ITソフトウェア系特許について、とりあえず一通り、理解しておきたいところです。 ということで、加島先生にITソフトウェア特許について教えてもらおうと思います。    無料ですので、知財部の方も、特許事...
角渕 由英

特許文書の読み方 ① 特許文書を読む

こんにちは、知財実務情報Lab.専門家チームの角渕由英(弁理士・博士(理学)、特許検索競技大会最優秀賞)です。前回までは連載として侵害予防調査について説明をしてきました。今回と次回は、「特許文書の読み方」について、特許調査を例として説明をします。今回は、①特許文書を読むことについて述べます。  (1)特許文書とは?まず、“特許文書”とは何でしょうか。 特許を読むというときに、読む対象となるのは、いわゆる“特許公報”でしょう。 “特許公報”には、いくつか種類があります(参考)。...
松本 公一

(無料)第12回 / 特許・実用新案審査基準の勉強会を7/17(水)に開催します。

こんにちは、知財実務情報Lab.管理人の高橋です。 元特許庁審査官の松本公一先生に、特許・実用新案審査基準を解説して頂くセミナーを開催しています。   第12回目の特許・実用新案審査基準の勉強会(セミナー)は2024年7月17日(水)の13~14時に開催します。 今回は、第3部第4章 先願(特許法第39条)および第5章不特許事由(特許法第32条)を解説して頂きます。 「今から審査基準をキッチリ勉強したい人のキッカケ」、「以前勉強したが結構忘れてしまった方の復習」などとしてご利...