![](https://chizai-jj-lab.com/cjj/wp-content/uploads/2019/05/tokkyo_no_tetsujin_title2-1024x640-1.jpg)
少し前にお伝え致しましたが、
本日、
「特許の鉄人」
のイベントに選手として参加してきました。
そして、なんと、勝利しました。
これもひとえに、心の中で応援して下さった皆さまのお陰です。
有難うございました。
![](http://cus4.t-pat-eng.com/pat/wp-content/uploads/2019/06/KIMG1066-169x300.jpg)
![](http://cus4.t-pat-eng.com/pat/wp-content/uploads/2019/06/KIMG1069-169x300.jpg)
ルールとか、問題内容とかは
ツイッターで大量に流れているようですので、
知りたい方はそちらを見て頂ければと思います。
このイベントに参加することになってから、
本日の昼間までの間に、
結構、多くのクライアント様から、
「特許の鉄人、頑張ってください!」
と言われていたので、
そこそこプレッシャーを感じていたのですが
勝てて良かったです。
私にあてがわれたお題は、こちらの「ぐい飲みらく杯」です。
![](https://chizai-jj-lab.com/cjj/wp-content/uploads/2023/07/画像1.jpg)
一応解説しておきます。
お題が出て25分のカウントダウンが始まり、
「ぐい飲みらく杯」の発明者が
発明内容を解説したら、
まず、私は、いつも通り、
・従来技術
・課題
・解決手段
・効果
を列挙して行きました。
そして、そこそこまとめた時点で
すでに10分が経過しています。
この時点で、私はクレームを1文字も書いていませんでしたが、
対戦相手の先生は、すでにクレームを
結構書いています。
そこそこ焦ってくるわけですが、
この時点で作戦変更。
残り15分で100点のクレームを書くのは無理。
60点のダサいクレームでもOKとする、
さらに、
初めは構造クレームを書こうと思ったのですが、
残り時間で構造クレームは書き切れないので、
機能的クレームを書く、
と作戦を変えました。
また、
この発明の効果(課題)を以下の4つに整理されたので、
各々の効果を奏するための手段(構成要件)を
メインクレームからサブクレームに
連ねることにしました
・倒れない → 請求項1
・飲み干す手前でハート形、デザイン性良好 →請求項2
・お酒を注ぐと内部で対流して香りが良い。→請求項3
・底の部分に指がかかるのでもったときに安定する。持ちやすい。→請求項4
そして、実施態様に近くなるように用途限定クレームを請求項5としました。
私が残り15分で書いたクレームはこちらです。
【請求項1】
底に重心を有し、底部外面が曲面状に構成され、倒れたとしても元に戻るように構成されている、起き上がりこぼし式コップ。
【請求項2】
内部の飲み物が少なくなった場合に、その飲み物が飲者から見てハート形を呈する請求項1に記載のコップ。
【請求項3】
内部の底に突起が形成されているために、内部へ液体を注いだ時に内部に対流が発生し、前記液体の香りが発せられる、請求項1または2に記載のコップ。
【請求項4】
底部外面に略指一本分の凹部が形成されており、当該部位に指をかけてもつことで、もったときに安定する、請求項1~3のいずれかに記載のコップ。
【請求項5】
漆器であり、お酒を注いで用いる、請求項1~4のいずれかに記載のコップ。
いやー、今見るとダメダメなクレームですね。
会場では「これは20点のクレームです」
と言いましたが、今見ると完全にゼロ点ですね。
その後、120人集まったお客さんが、
どちらのクレームが優れているかを投票して行ったのですが、
何とか、私が6割弱くらいの支持を得られました。
今から考えると、機能的クレームは内容が分かりやすいので、
多くの方に賛同して頂けたのだと思います。
会場では言ったのですが、
日頃の業務において、
上記の請求項1~5のような超ショボい、ゼロ点のクレームは
書いていませんので、
私へ業務を依頼して頂いている(これから依頼しようとしている)皆さまは
ご安心ください。
お客様には充分な時間検討して作成した100点のクレームを
ご提案しております。
選手さえそろえば、第2回も開催されるそうですので、
希望者は名乗り出て頂ければと思います。
120人が見ている檀上で、いろいろなプレッシャーを感じながら
クレームを作りきるのは結構疲れますが、
終わってしまえば、楽しかったです。