石川 勇介

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JPAAアジアセミナー@タイに参加してみて

 こんにちは、知財実務情報Lab.専門家チームの石川勇介(日本弁理士、元ジェトロ・バンコク事務所)です。 今回は、2023年2月27日、28日に現地開催された「JPAAアジアセミナー@タイ」に講師として参加しましたので、(1)当該現地セミナーの概要、(2)現地代理人のスキル、(3)新型コロナウイルスの影響が治まってからの現地の様子について感じたことを述べます。    1.JPAAアジアセミナーとは「JPAAIPPractitionersSeminar(通称:JPAAアジアセミ...
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カンボジアの特許の保護・留意点(CPGで早期権利化を!)

 こんにちは、知財実務情報Lab.専門家チームの石川勇介(日本弁理士、元ジェトロ・バンコク事務所)です。 「カンボジア」は、いわゆる陸のアセアン(タイ、ベトナム、ラオス、カンボジア、ミャンマー)に属し、ラオス、ミャンマーとともに後発開発途上国(開発途上国の中でも特に開発が遅れている国)に位置付けられています。 カンボジア政府は、最速2027年までに後発開発途上国からの脱却を目指しており、「外資呼び込み政策」や「研究開発に関する各種優遇・支援措置」、そして「知的財産権に関する法...
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ベトナムの特許の保護・留意点(アセアン内で経済好調!)

 こんにちは、知財実務情報Lab.専門家チームの石川勇介(日本弁理士、元ジェトロ・バンコク事務所)です。 「ベトナム」は、東南アジア(アセアン)においてタイ、インドネシアに次いで日系企業の海外進出が多く、日系企業の注目度が高い国となっています。 また、新型コロナウイルスの影響を極力抑え、2020年度に東南アジアの中で唯一、実質GDP成長率(+2.9%)がプラス成長した国でした。新型コロナの影響を受けながらもベトナム経済は好調であり、2022年度では実質GDP成長率7.0%と予...
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タイの特許・実用新案の権利化期間(技術分野で異なる)

こんにちは、知財実務情報Lab.専門家チームの石川勇介(弁理士、元ジェトロ・バンコク事務所)です。 今回は、「タイの特許・実用新案の権利化期間(技術分野で異なる)」についてご説明したいと思います。 1.はじめに前回の記事「東南アジアの実用新案」では、実用新案について権利期間が短いといったデメリットはあるものの、①「権利の保護対象」が特許と同じであること、②「新規性・進歩性の要件」について進歩性は必要なく、新規性があれば権利が有効になること、③登録されればそのまま権利行使を行え...
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東南アジアの実用新案(新規性あれば登録・権利行使できる)

 こんにちは、知財実務情報Lab.専門家チームの石川勇介(日本弁理士、元ジェトロ・バンコク事務所)です。今回は、「東南アジアの実用新案制度」についてご説明したいと思います。 後述するように、東南アジアでは実用新案が有効に活用できるケースがあります。   1.はじめに「日本」では、「実用新案」について低コストで早期に権利を取得できるものの、権利行使のハードルが高い、権利期間が短い、保護対象が制限される等といった理由からあまり有効な権利とは認識されておらず、特許と比較して出願件数...
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ミャンマー新知財法の概要・留意点(冒認商標出願に注意!)

こんにちは、知財実務情報Lab.専門家チームの石川勇介(日本弁理士、元ジェトロ・バンコク事務所)です。 今回は、「ミャンマー新知財法の概要・主な留意点」についてご説明したいと思います。 ミャンマーでは、近代的な知財制度が整備されておらず、特許法や意匠法はもちろんのこと、商標法も存在しませんでしたが、2019年1月~5月にかけて「新知的財産法(商標法、意匠法、特許法、著作権法)」が法案成立しました。 その後、2021年2月に発生したミャンマー国軍によるクーデターにより、今も政情...
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ミャンマーの知財状況(商標法の施行が近い)

 こんにちは、知財実務情報Lab.専門家チームの石川勇介(日本弁理士、元ジェトロ・バンコク事務所)です。 今回は、「ミャンマーの知財状況」についてご説明したいと思います。 ミャンマーでは、比較的安価な「労働力」(1人当たりGDP1,292US$:2021年)、魅力的な「人口」(約5700万人:2021年)、比較的高い「経済成長率」(実質GDP成長率6.8%:2019年(2021年は-5.9%))、親日的で勤勉な性格等から、「アジア最後のフロンティア」と称されていました(統計は...
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東南アジアの特許の共有の取扱い(インドネシアに注意!)

 こんにちは、知財実務情報Lab.専門家チームの石川勇介(日本弁理士、元ジェトロ・バンコク事務所)です。  近年、オープンイノベーションの必要性の高まりを受けて、日本国内に留まらずクロスボーダーでの複数企業・大学等を主体とする共同研究・開発が盛んに行われています。 今回は、国境を越えて共同研究・開発を行う日系企業が東南アジアに進出する場合の留意点の一つとして、前回の「第1国出願義務」、前々回の「職務発明制度」に続き、アセアン主要6カ国(タイ、インドネシア、ベトナム、マレーシア...
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東南アジアの第1国出願義務(違反すれば刑事罰も)

 おはようございます。知財実務情報Lab.専門家チームの石川勇介(日本弁理士、元ジェトロ・バンコク事務所)です。 今回は、「東南アジアの第1国出願義務」についてご説明したいと思います。   1.はじめに近年、オープンイノベーションの必要性の高まりを受けて、日本国内に留まらずクロスボーダーでの複数企業、大学等を主体とする共同研究・開発が盛んに行われています。このように、国境を越えて複数企業・大学等が共同研究・開発を行う場合、成果として創出された知的財産の取扱いについては注意を必...
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東南アジアの職務発明制度(報酬額は?)

こんにちは、知財実務情報Lab.専門家チームの石川勇介(日本弁理士、元ジェトロ・バンコク事務所)です。  今回は、「東南アジアの職務発明制度」についてご説明したいと思います。 1.はじめに近年、東南アジアに進出している日系企業において「現地の職務発明規定の整備」を進める動きがあり、具体的な職務発明契約書の内容や、職務発明において従業者に支払う報酬の規定についての問合せが増えていると現地から聞いています。 そこで、今回はアセアン主要6カ国(タイ、インドネシア、ベトナム、マレーシ...