高橋 政治

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明細書中に「好ましい」と書いたらダメなの?

こんにちは、知財実務情報Lab.管理人の高橋政治(弁理士・技術士)です。 前回は「明細書中に「本発明」と書いたらダメなの?」という文章を書きました。 今回は「明細書中に「好ましい」と書いたらダメなの?」と題して書いてみようと思います。   米国出願では「好ましい」という文言がクレーム範囲の限定解釈につながる可能性があるため、用いることを推奨しないとの意見があります。 例えば、ベンジャミンJ.ハウプトマン他、著「米国特許出願書類作成および侵害防止戦略」のP80にそれが記載されて...
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明細書中に「本発明」と書いたらダメなの?

こんにちは、知財実務情報Lab.管理人の高橋政治(弁理士・技術士)です。 本日は明細書の書き方に関することです。 言うまでもなく明細書は「本発明」を説明するための書類ですが、この明細書に「本発明」という文言を使うべきではない、という考え方が米国では広く受け入れられています。 この考え方を支持する理由は、『「発明」という文言を用いるとその特徴がクレームの一部であると解釈されてしまう、すなわちクレーム範囲が限定解釈されてしまう可能性があるから』というものです。 したがって、日本の...
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(無料)第2回・特許の基礎知識【11/13開催セミナー】

こんにちは、知財実務情報Lab.管理人の高橋です。 私の書籍「技術者・研究者のための特許の知識と実務(第5版)」を用い、この内容を解説するセミナーを開催しています。 8/14に1回目を開催しましたので、第2回を11/13に開催したいと思います。   「技術者・研究者のための・・・」とありますが、知財部や特許事務所に所属していてまだ経験が浅い方や事務員さんに聞いて頂ければ、お役に立つのではないかと思っています。 もちろん、技術者、研究者の方もご参加ください。 無料ですので、お知...
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「発明」とは「課題+解決手段+効果」の3点セット

こんにちは、知財実務情報Lab.管理人の高橋政治(弁理士・技術士)です。  発明者が作成した発明提案書に、発明ではなく発見が記載されていたり、願望・結果・効果だけが記載されていたりするケースがありますよね。 このような場合、知財専門家は発明者に「発見」や「願望・結果・効果」は特許制度における保護対象ではないことを説明する必要がありますよね。 今回は、発見や願望・結果・効果は発明ではないので権利化できないこと、および特許法において保護され得る「発明」がどのようなものであるかにつ...
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意見書・審判請求書に判例を挙げると特許査定・特許審決になりやすいのか

こんにちは、知財実務情報Lab.管理人の高橋(弁理士・技術士)です。 拒絶理由通知書・拒絶査定への応答として提出する意見書・審判請求書に判例を書くべきかについて、種々の意見があります。 本日はこれについて個人的な意見を述べたいと思います。   1.基本的な考え私は現時点で約21年間も特許事務所に所属していて、特許庁へ提出した意見書・審判請求書の数は相当数になります。 数えたことはないのですが、意見書または審判請求書を週に1件提出したと仮定すると、計算上、20年間で約1,000...
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進歩性欠如の拒絶理由通知書をもらったとき、引用文献をどのような観点で読めばよいか

こんにちは、知財実務情報Lab.管理人の高橋です。 進歩性欠如の拒絶理由通知書をもらったときに、引用文献をどのような観点で読めばよいかについて説明したいと思います。 まずは進歩性欠如の拒絶理由通知書をもらったときに、何を、どのような順番で、検討すべきかを確認したいと思います。 これについては皆さまに既に差し上げた書籍「進歩性欠如の拒絶理由通知への対応ノウハウ」の図2.14に示されている通りです。 図2.14を示します。   図2.14  1.審査官の認定が正しいか図2.14に...
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理想的な明細書と、目標とすべき明細書は異なる

こんにちは、知財実務情報Lab.管理人の高橋(弁理士・技術士)です。 理想的な明細書と、個々の案件において目標とすべき明細書とは異なる、という話について記載してみようと思います。 まず、理想的な明細書とは何か、について考えてみたいと思います。 これについては色々な意見があるでしょうが、ここでは「権利範囲が広く」、「権利化しやすく」、「権利行使しやすく」、「後願を排除しやすい」明細書とします。 各々について説明します。   1.権利範囲が広い明細書正確に言えば「請求項における発...
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(無料)第1回・特許の基礎知識【8/14開催セミナー】

こんにちは、知財実務情報Lab.管理人の高橋です。 私の書籍「技術者・研究者のための特許の知識と実務(第5版)」を用い、この内容を解説するセミナーを開催いたします。 何回かに分けて、最初から順に、一通り解説していきたいと思っています。 ★第4版を用いて同様のセミナーを開催したのですが、第5版が出版されましたので、再度、開催したいと思います。最初に第4版と第5版との違いを説明する予定です。  「技術者・研究者のための・・・」とありますが、知財部や特許事務所に所属していてまだ経験...
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中間対応において「除くクレーム」を検討するタイミングについて

こんにちは、知財実務情報Lab.管理人の高橋(弁理士・技術士)です。 今回は中間対応において「除くクレーム」を検討するタイミング、すなわち、どのような場合に「除くクレーム」を検討することになるかについて書きたいと思います。 なお、以下では中間対応として「進歩性なしの拒絶理由通知書をもらったとき」について書きますが、「新規性なし」の拒絶理由通知書をもらったときも、ほぼ同じになると思います。  まずは、「進歩性なしの拒絶理由通知書をもらったとき」に、どのような思考手順で検討するか...
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私の仕事道具 ~ 実は私は〇〇を2つ使っています ~

こんにちは、知財実務情報Lab.管理人の高橋です。 私は知財業界に入って21年目ですが、ずっと特許事務所に所属していてます。 つまり、21年間、ずっとパソコンに向き合って、ひたすら明細書や意見書を書き続けています。 その間、少しでも効率的、かつ、体になるべく負担をかけずに明細書等を書く方法を考えて続けていて、使いやすそうな道具や、効率的に明細書等を書くことができそうな道具を見かければ試すようにしています。(ほとんど使わずにお蔵入りした高級ガジェットも少なからずあります。) 今...