角渕 由英

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特許文書の読み方(2)特許文書の読み方(前編)

 こんにちは、知財実務情報Lab.専門家チームの角渕由英(弁理士・博士(理学)、特許検索競技大会最優秀賞)です。 前回と今回は、「特許文書の読み方」について説明をしています。 前回は、①特許文書を読むことについて述べました。 今回は、②特許文書の読み方(前編)として、特許調査を例として、調査の目的を意識して“読む”こと、文書の構造を意識して先を見通して“読む”こと、“読む”順番の一例について述べます。  お知らせ企業の知財部の方も、特許事務所の方も、発明者と面談してより良い発...
角渕 由英

特許文書の読み方 ① 特許文書を読む

こんにちは、知財実務情報Lab.専門家チームの角渕由英(弁理士・博士(理学)、特許検索競技大会最優秀賞)です。前回までは連載として侵害予防調査について説明をしてきました。今回と次回は、「特許文書の読み方」について、特許調査を例として説明をします。今回は、①特許文書を読むことについて述べます。  (1)特許文書とは?まず、“特許文書”とは何でしょうか。 特許を読むというときに、読む対象となるのは、いわゆる“特許公報”でしょう。 “特許公報”には、いくつか種類があります(参考)。...
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侵害予防調査について ⑯属地主義と効率的なグローバル調査

こんにちは、知財実務情報Lab.専門家チームの角渕由英(弁理士・博士(理学)、特許検索競技大会最優秀賞)です。連載として侵害予防調査について説明をしています。前回は「意匠権もチェック」することについて述べました。今回は、「属地主義と効率的なグローバル調査」について説明をします。  (1)ファミリー単位の調査近年、日本企業であっても、国内のみで事業が完結することは少ない。今後も国外市場の重要性が増していく状況下、侵害予防調査をグローバルかつ効率的に行うことが必要となります。 法...
角渕 由英

侵害予防調査について ⑮意匠権もチェック

こんにちは、知財実務情報Lab.専門家チームの角渕由英(弁理士・博士(理学)、特許検索競技大会最優秀賞)です。 連載として侵害予防調査について説明をしています。 前回は「古い技術を調査して代替」することについて述べました。 今回は、「意匠権もチェック」することについて説明をします。  侵害予防調査は、特許や実用新案に限定されるものではありません。物品のデザインに特徴がある場合には、意匠権の調査も行う必要があります。 意匠調査の基本プロセスも特許調査と同じであり、検索条件の設定...
角渕 由英

侵害予防調査について ⑭古い技術を調査して代替

こんにちは、知財実務情報Lab.専門家チームの角渕由英(弁理士・博士(理学)、特許検索競技大会最優秀賞)です。 連載として侵害予防調査について説明をしています。 前回は間接侵害について述べました。 今回は、「古い技術を調査して代替」することについて説明をします。   知財に対する意識の高まりとともに、リスクを恐れ過ぎるあまり、対象となる「実施行為」(技術A)が古く単純な技術である場合であったとしても、侵害予防調査を行うことが求められるというケースが増えています。 単純な技術で...
角渕 由英

侵害予防調査について ⑬間接侵害について

 こんにちは、知財実務情報Lab.専門家チームの角渕由英(弁理士・博士(理学)、特許検索競技大会最優秀賞)です。 連載として侵害予防調査について説明をしています。 前回は均等論について述べました。 今回は、間接侵害について説明をします。 均等論以外にも、対象となる製品や方法等が、特許発明の全ての構成要件を充足しない場合に、例外的にその製品等の生産や譲渡などが特許権の侵害となる場合として間接侵害があります。 間接侵害は、直接侵害を惹起する蓋然性が極めて高い実施行為が対象となりま...
角渕 由英

侵害予防調査について ⑫均等論について

こんにちは、知財実務情報Lab.専門家チームの角渕由英(弁理士・博士(理学)、特許検索競技大会最優秀賞)です。 連載として侵害予防調査について説明をしています。 前回は検索式作成の基本とありがちな「勘違い」について述べました。 今回は、均等論について説明をします。   均等論とは、文言上はイ号製品(侵害疑義製品)が特許発明の技術的範囲に含まれない場合であっても、具体的には、特許請求の範囲に記載された構成要件の一部が、イ号製品において異なっていたとしても、特許発明と均等と評価で...
角渕 由英

侵害予防調査と無効資料調査のコツ ~ 誰でも、J-PlatPatしか利用できない環境であっても、フレームワーク(型)を用いてルーティーンで迷わず調査する方法、コツ、ノウハウを具体例を挙げて解説・伝授します ~【4/19開催セミナー】

こんにちは、知財実務情報Lab.管理人の高橋(弁理士・技術士)です。 角渕先生のセミナーはいつも大人気なんですが、受講して下さった方から、  「誰でも、これだけ押さえておけば何とかなる、というセミナーはないですか?」  「基礎的なところをキッチリと固めるセミナーはないですか?」 「J-PlatPatだけしか使えないんですが、何とかする方法はありますか?」   というようなご要望を頂きましたので、角渕先生にそれに応えるセミナーを作って頂きました!  ・誰でも、・J-PlatPa...
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侵害予防調査について  ⑪オールエレメントルールの具体例

こんにちは、知財実務情報Lab.専門家チームの角渕由英(弁理士・博士(理学)、特許検索競技大会最優秀賞)です。 連載として侵害予防調査について説明をしています。 前回は特許権侵害の判断方法について述べました。 今回は、検索式作成の基本とありがちな「勘違い」について述べます。   検索式作成の基本権利一体の原則(オールエレメントルール)に基づけば、構成要件が自社の実施製品等よりも少ない特許権も抽出しなければなりません。 具体的には、実施製品が構成Aと、構成Bと、構成Cの3つの構...
角渕 由英

侵害予防調査について  ⑩オールエレメントルールの具体例

 こんにちは、知財実務情報Lab.専門家チームの角渕由英(弁理士・博士(理学)、特許検索競技大会最優秀賞)です。 連載として侵害予防調査について説明をしています。 前回は特許権侵害の判断方法について述べました。 今回は、オールエレメントルールの具体例について説明をします。  本件特許発明この記事では、摩擦体(消しゴム)で熱変色性インキの筆跡を擦過することで、筆跡を消すことができるボールペンを具体的な製品の例として、特許権侵害の成否を判断することにします。  ①まず、本件特許発...