田中 研二

なぜ引用発明の上位概念化が進歩性の否定に繋がるのか?(2)

こんにちは、知財実務情報Lab.専門家チームの田中研二(弁理士)です。 前回に引き続き、「引用発明の上位概念化」について考えてみます。前回は、上位概念化を「捨象」と「抽象化」に分け、上位概念化の対象が「主引用発明」か「副引用発明」かも考慮して、次のような4類型に分けてみました。    前回は「要素の捨象」について検討したので、今回は「要素の抽象化」について考えてみましょう。筆者の私見ですが、「要素の抽象化」は、発明の具体的な「構成」の抽象化と、「構成」の前にある発明の「前提」...
長谷川 寛

(無料)日本とはこんなに違うEPOの新規性の実務(第7回欧州特許実務勉強会、6/18開催セミナー)

こんにちは、知財実務情報Lab.管理人の高橋です。 第1回~第6回に引き続き、欧州特許弁理士、ドイツ弁理士、日本弁理士の長谷川寛先生に、欧州特許実務のポイントを解説して頂くセミナーを開催します。 第7回の勉強会は「欧州における新規性判断の実務」です。 「新規性の判断なんて簡単だよ」 と思ったそこの貴方! 欧州と日本とは異なりますよ! 一緒に勉強しましょう。 今回のセミナーも無料ですので、6月18日(火)の夕方の時間を確保して、ぜひ、ご参加ください。  また、ぜひ、知財部や特許...
セミナー

製法特許における広くて強い特許戦略の構築【5/17開催セミナー】

こんにちは、知財実務情報Lab.管理人の高橋(弁理士・技術士)です。 製法特許を極めたいと思い、セミナーを開催させて頂くことに致しました。 製法特許を極めたい方は、一緒に勉強しましょう。 下記のように5月17日(金)にセミナーを開催します。    オンラインセミナー開催要領 題名製法特許における広くて強い特許戦略の構築   講師加藤浩先生(弁理士、青山特許事務所)  概要近年、各種製品の製造コストが高まる中、企業活動において、製造プロセスの改善や生産性の向上への関心が高まって...
田中 研二

なぜ引用発明の上位概念化が進歩性の否定に繋がるのか?(1)

こんにちは、知財実務情報Lab.専門家チームの田中研二(弁理士)です。 昨年末、「今月の進歩性」メンバーで知財実務オンラインに出演させていただきました。※「今月の進歩性」は、毎月集まって前月の進歩性関連の判決について議論する勉強会です。 番組では、進歩性に関するいくつかの論点について判決紹介とディスカッションをしたのですが、そのうち下井先生が発表された「引用発明の認定」セクション(09:00~)では、「引用発明の上位概念化」が話題になりました。 特に、一度ちゃんと整理したいと...
谷 和紘

(無料)「第3回 クレーム作成勉強会」を開催します。【5/8開催】

 1.クレーム作成勉強会とは?後述する課題(発明)を読んで、クレーム案を作成して下さい。提出して頂ければ、弁理士会実務修習講師、弁理士会育成塾講師の谷和紘先生が添削いたします。提出されたクレーム案について添削し、その内容をセミナー形式で解説いたします。そのセミナーは無料で受講できます。クレーム案を提出して添削してもらう場合は有料です(でも、たったの1,100円(税込み)です)。   2.講師谷和紘先生(弁理士 実務修習講師 育成塾講師) プロフィック特許事務所:   3.今回...
田村 良介

顧問契約のすすめ

こんにちは、知財実務情報Lab.専門家チームの田村良介(弁理士、ライトハウス国際特許事務所)です。本日は、弁理士との顧問契約について、お話をしたいと思います。 顧問契約というと、弁理士にいつでも相談することができる、というタイプの契約であることが多いように思いますが、私がお勧めをするのは、定期的な会議・打ち合わせをすることを前提とした顧問契約です。特に、中小企業、スタートアップ企業には、お勧めの契約です。 このタイプの顧問契約をお勧めする理由についてご説明します。 例えば、弁...
松本 公一

(無料)第11回 / 特許・実用新案審査基準の勉強会を4/3(水)に開催します。

こんにちは、知財実務情報Lab.管理人の高橋です。 元特許庁審査官の松本公一先生に、特許・実用新案審査基準を解説して頂くセミナーを開催しています。   第11回目の特許・実用新案審査基準の勉強会(セミナー)は2024年4月3日(水)の13~14時に開催します。 今回は、第3部第3章 拡大先願(特許法第29条の2)を解説して頂きます。 「今から審査基準をキッチリ勉強したい人のキッカケ」、「以前勉強したが結構忘れてしまった方の復習」などとしてご利用頂ければと思います。  無料です...
高橋 政治

(無料)特許出願の打合せのとき、知財部から特許事務所へ伝えるべきこと(4/24開催セミナー)

こんにちは、知財実務情報Lab.管理人の高橋です。 充実した内容の明細書をできるだけ短期間に作成するために、特許出願の打ち合わせのとき、知財部の方は特許事務所へ何を伝えれば良いのでしょうか? 私はこれまで20年間、特許事務所に所属してきて、特許出願の打合せも数えきれないくらい行って来ました。その経験に基づいて、上記についてお話をさせて頂きたいと思います。 ベテラン知財部員の方にとっては当然のことが多いでしょう。  よって主に少人数の知財部に所属している方や、若手知財部員が対象...
角渕 由英

侵害予防調査について ⑬間接侵害について

 こんにちは、知財実務情報Lab.専門家チームの角渕由英(弁理士・博士(理学)、特許検索競技大会最優秀賞)です。 連載として侵害予防調査について説明をしています。 前回は均等論について述べました。 今回は、間接侵害について説明をします。 均等論以外にも、対象となる製品や方法等が、特許発明の全ての構成要件を充足しない場合に、例外的にその製品等の生産や譲渡などが特許権の侵害となる場合として間接侵害があります。 間接侵害は、直接侵害を惹起する蓋然性が極めて高い実施行為が対象となりま...
高石 秀樹

進歩性の全論点+α

こんにちは、知財実務情報Lab.専門家チームの高石秀樹(弁護士・弁理士、中村合同特許法律事務所)です。進歩性の全論点について、日本裁判所の判断傾向を解説しています。多項制の現行法下では、各発明に応じて、進歩性が認められやすいクレーム形式を把握し、各独立項の発明の技術的範囲の総和を最大化するとともに、サポート要件・実施可能要件等とのバランスを取ります。 本稿では、幾つかのホットトピックについて、パテント誌掲載後の重要裁判例(youtube動画あり)を考察します。(進歩性に限りま...