なぜ引用発明の上位概念化が進歩性の否定に繋がるのか?(2)
こんにちは、知財実務情報Lab.専門家チームの田中研二(弁理士)です。 前回に引き続き、「引用発明の上位概念化」について考えてみます。前回は、上位概念化を「捨象」と「抽象化」に分け、上位概念化の対象が「主引用発明」か「副引用発明」かも考慮して、次のような4類型に分けてみました。 前回は「要素の捨象」について検討したので、今回は「要素の抽象化」について考えてみましょう。筆者の私見ですが、「要素の抽象化」は、発明の具体的な「構成」の抽象化と、「構成」の前にある発明の「前提」...