田中 研二

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「研究」のススメ(2)~四つの研究パターン~

 こんにちは、知財実務情報Lab.専門家チームの田中研二(弁理士)です。 前回は、知財実務家にとって「研究」が、日々の案件対応とは別の軸として専門性を育ててくれる、という記事を書きました。 今回も引き続き、知財実務家としての「研究」について考えてみます。  1.一番大事なのは「目的」初めに考えることは、何を知りたいのか?なぜその研究をやりたいのか?という研究の「目的」です。 これはもちろん人によって様々ですが、たとえば以下のような「目的」があるでしょう。ネットワーク関連発明で...
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「研究」のススメ(1)~自分なりの専門性を高めるには~

 こんにちは、知財実務情報Lab.専門家チームの田中研二(弁理士)です。 私事ですが、近々36歳になり、ずっとお世話になってきたチザワカ(知財若手の会)を卒業することになります。そこで先日、卒業ライトニングトーク会として、同年代の皆様とともにキャリアについて(好き勝手に)お話しする機会を頂きました。 登壇者の中で事務所弁理士は私だけだったこともあり、改めて外部専門家としてのキャリアについて考えてみたのですが、その中で浮かんだキーワードは「研究」でした。そこで、今月から何回かに...
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本願発明の認定における「用語の解釈」について改めて考えてみた

 こんにちは、知財実務情報Lab.専門家チームの田中研二(弁理士)です。 新規性や進歩性の判断は、まず「本願発明の認定」から始まります。 本願発明は基本的にクレームに記載されたとおりに認定されるので、実務的には「引用発明の認定」ほど争いになることは多くありません。とはいえ、本願発明の認定を争った裁判例や審査・審判事例はそれなりに存在します。今回は、「本願発明の認定」のカギとなる「用語の解釈」について整理してみます。  1.審査基準のおさらい審査基準では、本願発明の認定について...
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2024年の拒絶審決の傾向を分析してみた

 こんにちは、知財実務情報Lab.専門家チームの田中研二(弁理士)です。 以前の記事で「補正なし審判請求」の成功率を見てみましたが、今回は「補正あり審判請求」の場合も含めて、拒絶査定不服審判における審決の傾向やパターンを整理してみようと思います。 調査対象は、2024年に特許審決または拒絶審決が発行された特許出願8,289件としました(却下されたものや、出願や審判請求の取下げにより審判が終了したものを除くので、特許庁統計と数字に若干ずれがあります)。   1.審決の分類202...
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論文勉強会(若手向け)を開催します。参加者募集中(9/16まで)。

<2025/9/17追記:募集は終了しました。多くの方に申し込み頂きました。ありがとうございます。なお、9/17、8:15頃、参加希望者へメールを送りました。参加希望者はそのメールに対応して下さい。>  知財実務情報Lab.専門家チームが誇る若手弁理士・田中研二先生と一緒に月1回、月刊パテントや知財管理誌などから選んだ論文を読んで勉強しましょう。 準備不要で参加して頂き、皆で論文を読みながら、気になったところを議論していきます。 40才以下の若手の知財関係者(企業知財部や特許...
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反論成功率から「拒絶理由の併せ打ち」について分析してみた

 こんにちは、知財実務情報Lab.専門家チームの田中研二(弁理士)です。 前々回「補正無し反論」の統計を調べたところ、知人から「進歩性の拒絶理由だけ指摘されたときと、進歩性と明確性の両方が指摘されたとき、どっちのほうが反論成功しやすいんや?」と聞かれました。 前々回の記事では一つの拒絶理由が指摘された場合のみを集計しましたが、確かに複数の拒絶理由が指摘された場合の反論成功率も気になります。 そこで今回は、どのような拒絶理由の組合せであれば反論が成功しやすいのかを見てみました(...
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明確性違反に対してどのように反論すればよいか?

 こんにちは、知財実務情報Lab.専門家チームの田中研二(弁理士)です。 前回「補正無し反論」の統計を調べたところ、明確性(特許法第36条第6項第2号)違反に対して補正せずに反論した場合の成功率は92%と非常に高いことがわかりました。 そこで、今回は前回の分析対象事例の反論内容を実際に確認して、どのような反論が成功しやすいのか、逆にどのような反論だとうまくいかないのかを深掘りしてみます。  1.明確性の判断基準裁判所による明確性要件の判断は、通常「第三者に不測の不利益を及ぼす...
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拒絶理由別の反論成功率を調べてみた

 こんにちは、知財実務情報Lab.専門家チームの田中研二(弁理士)です。 今回は前回に引き続き、拒絶理由に対する「補正無し反論」に関する統計情報を紹介します。 審査では、進歩性だけでなく、サポート要件や明確性など様々な拒絶理由が指摘されますが、みなさまはどのくらい反論しますか? 今回は、どの拒絶理由に対して出願人がどのくらい反論しており、その成功率はどの程度なのか、2024年の1年分の審査事例を集計してみました。 あくまで集計値なので最終的にはケースバイケースで判断しないとい...
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拒絶理由通知や意見書のボリュームは進歩性主張の成功率に影響するのか?

こんにちは、知財実務情報Lab.専門家チームの田中研二(弁理士)です。 今回は、過去に筆者が進歩性欠如に対する反論の有効性を分析した際に、おまけで調べた小ネタを紹介してみます。 調査内容はタイトルどおり、拒絶理由通知や意見書の長さは、補正なし反論の成功率に影響するのか? です。 ―個人的には、拒絶理由の記載が長かろうが短かろうが、審査官の認定が誤っていれば拒絶理由は解消される気がしますし、たとえ短い意見書でも、核心を突いた反論であれば拒絶理由は克服できるように思えますが、実態...
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日々の中間対応に「検索報告書」を活用しよう!

こんにちは、知財実務情報Lab.専門家チームの田中研二(弁理士)です。 今回は、中間対応で役に立つ特許庁の「検索報告書」について説明します。既に実務で活用されている方もいらっしゃると思いますが、意外と知らない方も少なくないようなので、私なりの活用方法を紹介してみます。   検索報告書とは?特許庁の審査官は、多くのケースで先行文献調査を外注しています。特許庁資料によると、外注件数は約14.2万件とのことで、これは2023年の審査請求件数(約23万件)の60%強にあたります。この...