高橋 政治

苦節12年、ついに出版されました!

知財実務情報Lab.管理人の高橋です。 ついに、私の書籍「技術者・研究者のための特許の知識と実務 第5版」が2023年11月23日に出版されました。 本書は2011年8月に初版が出版され、そこから12年かけて、やっと第5版までたどり着きました。 これも全て本書を購入し、利用して下さった皆さまのおかげです。 ありがとうございます。心から感謝いたします。 そして、1つだけ、お願いがございます。 本書を1冊、ご購入ください!  すでに初版~第4版のいずれをお持ちの方へ第5版では、第...
角渕 由英

侵害予防調査について  ⑩オールエレメントルールの具体例

 こんにちは、知財実務情報Lab.専門家チームの角渕由英(弁理士・博士(理学)、特許検索競技大会最優秀賞)です。 連載として侵害予防調査について説明をしています。 前回は特許権侵害の判断方法について述べました。 今回は、オールエレメントルールの具体例について説明をします。  本件特許発明この記事では、摩擦体(消しゴム)で熱変色性インキの筆跡を擦過することで、筆跡を消すことができるボールペンを具体的な製品の例として、特許権侵害の成否を判断することにします。  ①まず、本件特許発...
田村 良介

審査における、請求項に係る発明と主引用発明との課題が異なることについての考察

こんにちは、知財実務情報Lab.専門家チームの田村良介(弁理士、ライトハウス国際特許事務所)です。 本日は、審査における進歩性の判断についてのお話です。ご存じのように、近時の裁判例では、請求項に係る発明の課題と、主引用発明の課題とが異なるものであることを理由の1つとして、進歩性が否定されない(つまり、進歩性が肯定される)と判断されることがあるようです。それでは、特許庁の審査においては、どうなのでしょうか。   特許・実用新案審査基準には、請求項に係る発明の課題と、主引用発明の...
高橋 政治

パラメータ発明の権利化/権利化阻止の実務【第13回知財ゼミ、11/12~12/12 】

下記の通り、パラメータ発明に関する第13回知財ゼミを11/12~12/12までの1か月間開催いたします。 動画セミナーを視聴いただき、メールで質問をして頂くという形式の勉強会です。ご興味をお持ち頂けた場合はお申込みください。 早めにお申し込み頂いた方が視聴時間が長くなり、余裕をもって質問して頂くことができます。 なお、企業の知財部の方、特許事務所の弁理士・特許技術者の方などのプロ向けの内容です。プロではない方には難しすぎて役立たない可能性があります。ご注意ください。 2018...
田中 研二

進歩性に関する2種類の「効果の主張」

こんにちは、知財実務情報Lab.専門家チームの田中研二(弁理士)です。進歩性欠如の拒絶理由に対して、本願発明の「効果」を主張することがあります。この「効果」の主張は主に以下の2つの場面で行われますが、私はそれぞれの場面で「効果の主張の仕方」が大きく異なると考えています。●場面1:本願発明が「予測できない効果」を奏することを主張する●場面2:本願発明と引用発明との相違点が設計事項でないことを主張する この違い、意外と認識されてないことがあるようなので、表にまとめてみました。(「...
高石 秀樹

“副”引用発明の抽象化の限界(進歩性)

こんにちは、知財実務情報Lab.専門家チームの高石秀樹(弁護士・弁理士、中村合同特許法律事務所)です。今回は、副引例が前提とする構造を捨象して副引例を過度に抽象化(上位概念化)した異議決定を取り消した知財高判令和4年(行ケ)第10009号【ガス系消火設備】事件<大鷹裁判長>を契機として、進歩性判断における「“副”引用発明の抽象化の限界」について考察するとともに、裁判例を紹介します。 ピリミジン大合議判決(知財高判大合議平成28年(ネ)第10182号)は、「引用発明として主張さ...
松本 公一

(無料)第10回 / 特許・実用新案審査基準の勉強会を1/17(水)に開催します。

こんにちは、知財実務情報Lab.管理人の高橋です。 元特許庁審査官の松本公一先生に、特許・実用新案審査基準を解説して頂くセミナーを開催しています。   第10回目の特許・実用新案審査基準の勉強会(セミナー)は2024年1月17日(水)の13~14時に開催します。 今回は、第3部第2章第5節(特許法第30条:新規性喪失の例外規定)を解説して頂きます。 「今から審査基準をキッチリ勉強したい人のキッカケ」、「以前勉強したが結構忘れてしまった方の復習」などとしてご利用頂ければと思いま...
角渕 由英

侵害予防調査について ⑨特許権侵害の判断方法

こんにちは、知財実務情報Lab.専門家チームの角渕由英(弁理士・博士(理学)、特許検索競技大会最優秀賞)です。 連載として侵害予防調査について説明をしています。 前回は侵害予防調査の仮想事例について機能性表示食品を題材として述べました。 今回は、特許権侵害の判断方法について説明をします。  特許権の侵害とは特許権の侵害について、特許法には関連する条文が複数存在しますが、基本的な条文を抜粋して、以下に例示します。   特許権の侵害とは、権限なき第三者が業として特許発明を実施(特...
高石 秀樹

(無料)「サポート要件と実施可能要件」について、特許裁判例事典(第4版に向けての原稿)の読み合わせ(12/20開催セミナー)

 高石秀樹先生の「特許裁判例辞典」の第4版が出版されるそうです。 それに先駆けて、この第4版の原稿を用いて、サポート要件と実施可能要件の最近の裁判例について、高石先生、自らが解説してくれます。 第4版の原稿の「サポート要件」、「実施可能要件」の部分をみなさまに配布して、これを画面上に映して解説してくれるそうです。 これは参加するしかないでしょう。 しかも、無料ですので、知財部の方も、特許事務所の方も、ぜひ、ご参加ください。 知財部や特許事務所の同僚、部下等にご紹介ください。多...
石川 勇介

タイにおける営業秘密の保護(現地で問合せが増えている)

こんにちは、知財実務情報Lab.専門家チームの石川勇介(日本弁理士、元ジェトロ・バンコク事務所)です。 今回は、「タイにおける営業秘密の保護」についてご紹介します。   以下、下記の項目に沿ってご説明します。1.はじめに2.営業秘密の定義3.営業秘密の侵害の定義4.エンフォースメント5.タイでの侵害事例の紹介6.救済手段、訴訟における争点7.現地代理人へのヒアリング8.まとめ  1.はじめに近年、中国からアセアン諸国への生産移管が進んでおり(ジェトロ地域・分析レポート2021...