高石 秀樹

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副引用発明の『上位概念化』が認められ、「除くクレーム」の進歩性が否定された事例

 こんにちは、知財実務情報Lab.専門家チームの高石秀樹(弁護士・弁理士、中村合同特許法律事務所)です。 今回は、「審決取消請求事件(副引用発明の『上位概念化』が認められ、「除くクレーム」の進歩性が否定された事例。」-知財高判令和6年11月11日・令和4年(行ケ)第10118号「プログラム」<本多裁判長>-について解説したいと思います。 ◆判決本文  【本判決の要旨、若干の考察】1.特許請求の範囲(請求項2)「タッチパネルディスプレイを有する制御装置であって、 前記制御装置と...
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「周知の事項1を適用した引用発明に周知の事項2を適用する動機付けがあった」という論理付けで、『容易の容易』の問題とせずに進歩性を否定した事例

こんにちは、知財実務情報Lab.専門家チームの高石秀樹(弁護士・弁理士、中村合同特許法律事務所)です。 今回は、「周知の事項1を適用した引用発明に周知の事項2を適用する動機付けがあった」という論理付けで、『容易の容易』の問題とせずに進歩性を否定した事例-知財高判令和5年(行ケ)第10013号【磁極ハウジングの製作方法】<清水響裁判長>-について解説したいと思います。◆判決本文  【本判決の要旨、若干の考察】1.特許請求の範囲(請求項1)『予め亜鉛メッキされた金属薄板材料からな...
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特許権侵害差止等請求事件(特許法102条2項の適用がなく、102条1項の適用はあると判断した事例)

こんにちは、知財実務情報Lab.専門家チームの高石秀樹(弁護士・弁理士、中村合同特許法律事務所)です。 今回は、特許権侵害差止等請求事件(特許法102条2項の適用がなく、102条1項の適用はあると判断した事例。控訴審判決も同じ。別件で整合しない判決もある。) -東京地判平成30年(ワ)28931【レーザ加工装置】<柴田裁判長>- -控訴審・知財高判令和5年(ネ)10037【レーザ加工装置】<清水響裁判長>-について解説したいと思います。   ◆判決本文 【レーザ加工装置】10...
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優先権出願1明細書の請求項に記載があったが実施例は無かった化合物について優先権主張2出願時に実施例追加したが、優先権出願1の優先権主張が認められた事例 -知財高判令和5年(行ケ)第10057号【噴射製品】フマキラー v. アース製薬-

 こんにちは、知財実務情報Lab.専門家チームの高石秀樹(弁護士・弁理士、中村合同特許法律事務所)です。 今回は、審決取消請求事件(優先権出願1明細書の請求項に記載があったが実施例は無かった化合物について優先権主張2出願時に実施例追加したが、優先権出願1の優先権主張が認められた事例。)-知財高判令和5年(行ケ)第10057号【噴射製品】<本多裁判長>フマキラーv.アース製薬- について解説したいと思います。    ◆判決本文【本判決の要旨、若干の考察】1.特許請求の範囲(請求...
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(無料)「文言充足」について、特許裁判例事典(第4版に向けての原稿)の読み合わせ【9/11開催セミナー】

高石秀樹先生の「特許裁判例辞典」は今のところ第3版までが販売されていますが、近い将来に出版されるはずの第4版の原稿を用いて、高石先生、自らが裁判例を解説してくれます。  今回は「文言充足」についての全ての裁判例を、高石先生が解説してくれます。 第4版の原稿の「文言充足」の部分をみなさまに配布して、これを画面上に映して解説してくれるそうです。 これは参加するしかないでしょう。 しかも、無料ですので、知財部の方も、特許事務所の方も、ぜひ、ご参加ください。 知財部や特許事務所の同僚...
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【 判例研究 】先使用製品のバラツキを認定した上で調整可能範囲を先使用権の範囲として認定した事案

 こんにちは、知財実務情報Lab.専門家チームの高石秀樹(弁護士・弁理士、中村合同特許法律事務所)です。 今回は知財高判令和3年(ネ)10086【ランプ】<本多>≒原審・大阪地判平成29年(ワ)1390について解説します。   知財高判令和3年(ネ)10086【ランプ】<本多>≒原審・大阪地判平成29年(ワ)1390⇒先使用製品のバラツキを認定した上で、調整可能範囲を先使用権の範囲として認定した。*出願日前の実施品が特許発明に包含され得ることに言及した!⇒パラメータを認識して...
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【 判例研究 】引用文献における実施例から一部の構成を抜き出して引用発明とできず、当該一部の構成以外の構成を捨象することも容易想到でないとして、進歩性が認められた事案

こんにちは、知財実務情報Lab.専門家チームの高石秀樹(弁護士・弁理士、中村合同特許法律事務所)です。 今回は、審決取消請求事件(引用文献における実施例から一部の構成を抜き出して引用発明とできず、当該一部の構成以外の構成を捨象することも容易想到でないとして、進歩性が認められた事案)-知財高判令和5年(行ケ)第10040号「トレーニング器具」<清水響>-=知財高判令和5年(ネ)第10041号<清水響>(原審・大阪地判令和4年(ワ)第3847号)について解説します。 お知らせ言わ...
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判例研究【デジタル格納部を備えた電子番組ガイド】事件 ~「不可欠」要件及び「生産に用いる物」要件を否定して、間接侵害不成立とした事案~

こんにちは、知財実務情報Lab.専門家チームの高石秀樹(弁護士・弁理士、中村合同特許法律事務所)です。 今回は平成29年(ネ)第10043号「デジタル格納部を備えた電子番組ガイド」事件<森裁判長>-(原審・東京地判平成28年(ワ)第37954号)について解説します。  「不可欠」要件及び「生産に用いる物」要件を否定して、間接侵害不成立とした事案です。   本判決の要旨、若干の考察1.特許請求の範囲(請求項1)Aユーザテレビ機器(22)上で動作する双方向テレビ番組ガイドシステム...
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判例研究【ゴルフクラブ用シャフト】事件

こんにちは、知財実務情報Lab.専門家チームの高石秀樹(弁護士・弁理士、中村合同特許法律事務所)です。 今回は、4つの数値限定の上限及び下限を其々個別に発明の課題を解決しないと、8つの項目を立ててバラバラに判断して、サポート要件を否定した事案(審決取消請求事件-知財高判令和4年(行ケ)10081【ゴルフクラブ用シャフト】事件<本多裁判長>-)について解説します。   本判決の要旨、若干の考察 1.特許請求の範囲(訂正後の請求項1)複数の炭素繊維強化樹脂層で構成される、ドライバ...
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判例研究【シュープレス用ベルト】事件

こんにちは、知財実務情報Lab.専門家チームの高石秀樹(弁護士・弁理士、中村合同特許法律事務所)です。 今回は【シュープレス用ベルト】事件(大阪地判令和5年1月31日・平成29年(ワ)第4178号、特許権侵害差止請求事件<武宮裁判長>)について解説したいと思います。 この事件では、以下の2件が審理対象となっています。<特許1>特許第3698984号本件特許出願時当時の当業者が、公然実施品の外周面を構成するポリウレタンに含有されていた具体的な硬化剤を特定できた蓋然性を認めて新規...