田村 良介

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進歩性の拒絶理由における設計変更について

こんにちは、知財実務情報Lab.専門家チームの田村良介(弁理士、ライトハウス国際特許事務所)です。 進歩性の拒絶理由において、請求項に係る発明と主引用発明との相違点について、設計的事項であるとの判断がなされることがあります。 特許・実用新案審査基準の第III部第2章第2節によれば、「請求項に係る発明と主引用発明との相違点について、以下の(i)から(iv)までのいずれか(以下この章において「設計変更等」という。)により、主引用発明から出発して当業者がその相違点に対応する発明特定...
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企業の競争優位を達成するための戦略

こんにちは、知財実務情報Lab.専門家チームの田村良介(弁理士、ライトハウス国際特許事務所)です。 企業が特許を取得する意義として、他社による技術の模倣を防ぐことがあげられます。たしかにそうなのですが、より突き詰めて考えると、競合他社に対する競争力を高めて、企業の業績を向上させる、或いは、企業の業績低下を防ぐ、ということにあるのではないかと、考えています。そうすると、知財の実務家であっても、企業の業績に深く関係する経営戦略についての知識をもっておくことは重要です。   米国の...
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広い請求項を書くための1つの考え方

こんにちは、知財実務情報Lab.専門家チームの田村良介(弁理士、ライトハウス国際特許事務所)です。 特許の実務では、広い請求項で権利化すること、言い換えると、限定の少ない請求項で権利化することは重要ですよね。限定の多い請求項は、特許権を回避される抜け道が多くなる傾向があります。 限定の少ない請求項で権利化をするには、中間対応の際に、できるだけ請求項を狭く限定をせずに、新規性、進歩性を主張していく必要がありますが、その前提として、まずは、限定の少ない請求項を記載して、審査を受け...
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出願時の独立請求項をどうするか?

こんにちは、知財実務情報Lab.専門家チームの田村良介(弁理士、ライトハウス国際特許事務所)です。 本日は、私が、出願時の独立請求項について、どのように考えているかについて、ご紹介をさせていただければと思います。請求項の記載のしかたは、人それぞれ考え方に違いがあるかと思いますので、ここでご紹介するのは、1つの考え方としてお読みいただければと思います。  通常、出願前に先行技術調査を行います。独立請求項は、先行技術調査で発見された先行技術文献に対して、相違点を有するものであるこ...
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意見書のお作法

こんにちは、知財実務情報Lab.専門家チームの田村良介(弁理士、ライトハウス国際特許事務所)です。 拒絶理由通知が届くと、意見書を提出する機会が与えられます。今回は、この意見書の書き方について、主に、進歩性の拒絶理由が通知された場合を中心にお話をさせていただきます。  意見書に記載する事項と言えば、主に、「拒絶理由の概要」、「補正の説明」、「拒絶理由が解消すべき理由」の3つではないかと思います。人によっては、「拒絶理由の概要」も省略してよい、と考える人もいるかもしれません。 ...
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拒絶理由通知の対応方針を、秒速で見つけ出すには?

こんにちは、知財実務情報Lab.専門家チームの田村良介(弁理士、ライトハウス国際特許事務所)です。 皆さんは、拒絶理由通知への対応について、どのくらいの時間をかけて検討していますでしょうか。実務を始めたばかりの方であれば、「半日以上も考えたけれども、どう対応すればよいのか、思いつかない」といったこともあるかもしれませんね。ですが、そういった難しい案件について、ベテランの弁理士に相談すると、10分もかからずに、対応方針についてのおおよその検討ができてしまう、なんてことはないでし...
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人が行っている業務やビジネスを行う方法をシステム化したビジネス関連発明

こんにちは、知財実務情報Lab.専門家チームの田村良介(弁理士、ライトハウス国際特許事務所)です。 本日は、ビジネス関連発明についてのお話です。 ビジネスモデルそのものは、それが新しいビジネスモデルであったとしても、特許の対象とはなりません。特許・実用新案審査基準第III部第1章「発明該当性及び産業上の利用可能性(特許法第29条第1項柱書)」には、以下のように記載されています。   請求項に係る発明が以下の(i)から(v)までのいずれかに該当する場合は、その請求項に係る発明は...
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身の回りにあるものを利用して、実務力を磨こう!

こんにちは、知財実務情報Lab.専門家チームの田村良介(弁理士、ライトハウス国際特許事務所)です。 突然ですが、皆さん、コンピュータゲームで遊ぶことはあるでしょうか。例えば、ソニー・コンピュータエンタテインメント社のPlayStation(以下、PS)。PS5は、昨今の半導体不足もあり、なかなか手に入らないようですね。私は、PS4をプレイしています。 今回は、このPS4のコントローラについて、お話をさせていただきます。このコントローラですが、左右の親指、人差し指で複数のボタン...
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特許出願をするか否かの判断と、進歩性

 こんにちは、知財実務情報Lab.専門家チームの田村良介(弁理士、ライトハウス国際特許事務所)です。 一般的に、ある発明について特許出願をするか否かを判断する際に、事業の収益性や顕現性等とともに、その発明の特許性が考慮されるかと思います。特許性については、発明が新規性を有するものであれば、あとは、進歩性を有するかどうかが、主な問題となります。 今回は、特許出願をするか否かの判断において、進歩性とどのように向き合うかについてのお話です。    特許庁が公表している特許・実用新案...
田村 良介

独立した後、仕事の依頼を受けるには?

 こんにちは、知財実務情報Lab.専門家チームの田村良介(弁理士、ライトハウス国際特許事務所)です。 弁理士のキャリアの1つとして、特許事務所での独立があります。中には、独立してすぐに、多くの仕事の依頼を受けている優秀な方もいらっしゃいます。ですが、独立した後、仕事の依頼を受けることができるのだろうか?と不安に思ってる方も多いのではないでしょうか。ちなみに、私は、独立時に仕事がほとんどない状態でした。 それでは、独立後、仕事の依頼を受けるために、どのようなことを考えていけばよ...