生成AIを特許調査に活用する方法 (11)生成AIを用いたスクリーニングの実践 [2]関連特許の読み込み

 

こんにちは、知財実務情報Lab.専門家チーム角渕由英(弁理士・博士(理学)、弁理士法人レクシード・テックパートナー特許検索競技大会委員長)です。

 

前回は、生成AIを特許調査に活用する方法(10)として生成AIを用いたスクリーニングの実践[1]関連特許の抽出について述べました。

 

今回は生成AIを用いたスクリーニングの実践[2]関連特許の読み込みについて述べます。

 

最後の(3-2-3)には、[2]関連特許の読み込みを実行するためのプロンプトを用意しています。

 

   

なお、未公開の発明の内容を生成AIに入力する際に注意が必要であることは、色々な場面で注意喚起をされているとおりですので、ご注意下さい。

※筆者及び所属組織では、依頼者から了解が得られた場合を除いて、生成AIを利用するサービスに未公開の情報を入力することはしておりません。

なお、本記事は2026年5月初旬に執筆されていますので、生成AIの進歩によって、記事の内容が古くなっている可能性があることをご了承下さい。

 

特許調査のステップ3のスクリーニングは、以下の図に示すように、(3-1)関連特許の抽出と、(3-2)関連特許の読み込みに細分化されます。

 

 

今回は、(3-2)関連特許の読み込みについて、実践をしてみましょう。

 

(3-2)関連特許の読み込み

関連特許の読み込みでは、ステップ3-1で抽出した関連文献の読み込みをします。

 

これまでの作業では、以下の仮想事例について、(ステップ1)調査対象の特定、(ステップ2)検索式の作成、(ステップ3-1)関連特許の抽出をしてきました。

 

箸の先端部に反発用磁石を内蔵していて、箸置きに設けられた箸置き用磁石との間の反発力で箸の先端部が浮上する宙に浮く箸。

 

 

(3-2-1)特許文献の読み込みの概論

スクリーニングでは、[1]調査対象技術の構成の特定で整理した情報に基づいて文献をチェックすることは、前回に詳細に述べました。

 

以前に特許文書の読み方(7)生成AIをスクリーニングに活用する方法(1)(2)として、生成AIをスクリーニングに活用することの概論について述べたことがあります。

また、noteに生成AI時代の特許調査のスクリーニング(プロンプト付)という記事を書いたこともあります。

 

関連特許の読み込みは、次の(ステップ4)報告書の作成で何らかの判断を行うために、調査対象を抽出した関連特許と対比できるように、ノイズ落としの次の段階として、特定した調査対象技術の構成に関して、階層構造で構築した観点を付与することになる。

関連特許の読み込みでは、技術を正確に理解し、調査の目的に即した形で、

 

(3-2-2)生成AIによる特許文献の読み込みの検討

前回の会話に続いて、ChatGPT(GPT-5.5 Pro)で特許文献の読み込みについて検討をしました。  入力したプロンプトは以下のとおりです。

 

#特許調査をする際に、特定した調査対象の構成に基づいて特許文献を1次スクリーニングでノイズ落とした後に、特許文献の読み込みをするためのプロンプトを検討していますのでポイントをまとめて下さい。

##入力として、(1)仮想クレーム形式で表現した調査対象、(2)特許文献リスト(公報番号、発明の名称、要約、請求項を含み、ノイズであるか関連性ありの判定もしたもの)

##出力として、(3)その後の調査報告書の作成を意識して、読み込みの結果記入して出力をします。 ###読み込みの結果の根拠も併せて記入して出力をしてください。

 

以下のように特許文献の読み込みを生成AIで実行する手法に関する手順と基本的な注意点を的確かつ詳細にまとめてくれました。

生成AIを活用してワークフローを組む際には、設計段階で面倒くさがらずに各ステップを最終的な目的を達成するために、1つ1つ丁寧に工程を定義していくことが後のクオリティを高める秘訣となります。

 

以下のプロンプト設計では、目的を「1次スクリーニング後の文献を、調査報告書に使える形で読み込ませること」 に絞るのが重要です。

単なる要約ではなく、仮想クレームの構成要件との対応関係、根拠、相違点、報告書上の扱いまで出力させる設計にします。


1. プロンプト全体の目的

プロンプトでは、AIに次の役割を明確に与えるべきです。1次スクリーニング後の特許文献について、仮想クレーム形式の調査対象を基準に、各文献を読み込み、調査報告書作成に使える情報として整理すること。

ここで重要なのは、AIに「文献を要約せよ」と指示するのではなく、
「調査対象の構成に対して、文献のどこが対応し、どこが不足し、なぜ重要かを整理せよ」
と指示することです。


2. 入力情報の扱い

入力は、以下の2つを前提にします。

入力1:仮想クレーム形式で表現した調査対象

例として、以下のような形式です。

Aを備え、

Bを有し、

CによりDを実現する、

〇〇装置。

この仮想クレームは、読み込みの基準になります。
そのため、プロンプトではまずAIに、仮想クレームを構成要件に分解させる必要があります。

入力2:特許文献リスト

各文献には、少なくとも以下を含めます。

公報番号

発明の名称

要約

請求項

1次スクリーニング判定:関連性あり/ノイズ/保留 など

1次スクリーニング判定は、読み込みの優先度付けに使います。
ただし、ノイズ判定済み文献であっても、請求項や要約に調査対象の中核構成が明確に含まれている場合は、判定見直し候補として拾わせるのが安全です。


3. 最初に仮想クレームを構成要件分解させる

読み込みの前処理として、仮想クレームを構成要件に分解させます。

出力例は以下のような形です。

構成要件ID構成要件技術的意味必須性読み替え可能性
A〇〇を備える技術の前提構成中核同義語・上位概念を許容
B△△を有する主要な機能実現手段中核同等機能の構成を含む
C□□により処理する作用・処理方法重要実質的に同じ処理を含む

この工程を入れる理由は、AIが文献側の表現に流されず、調査対象を基準に読み込むためです。


4. 構成要件の重要度を分ける

構成要件はすべて同列に扱わず、次のように分けると読み込み結果が安定します。

  • 中核構成
    調査対象技術の本質。ここが欠けると関連性が大きく下がる。
  • 重要構成
    中核ではないが、関連性や重要度を判断するうえで大きな意味を持つ。
  • 補助構成
    実施態様、付加機能、限定条件など。重要度評価では補助的に使う。

この区分を入れることで、単なる一致数ではなく、
どの構成が一致しているから重要なのか
を説明できます。


5. 文献の読み込み順序を指定する

AIには、文献を次の順序で読むよう指示するとよいです。

  1. 発明の名称
  2. 要約
  3. 独立請求項
  4. 調査対象に近い請求項
  5. 従属請求項
  6. 必要に応じて明細書・図面確認の要否を判断

特に、報告書作成を意識するなら、請求項上の根拠があるかを重視させるべきです。
要約にだけ近い記載がある場合は、関連性は示唆されますが、根拠としては弱い扱いにします。


6. 各文献について構成要件対応表を作らせる

読み込み結果の中心は、仮想クレームの構成要件と文献記載との対応表です。

評価記号は、例えば以下のようにします。

評価意味
強く対応する
対応する
近いが同一とは言い切れない
×対応記載なし
入力情報から判断不能

出力例は以下です。

構成要件ID対応評価文献中の対応構成根拠コメント
A〇〇を備える構成請求項1仮想クレームのAに対応する
B類似する△△機能要約、請求項2機能は近いが構成が異なる可能性あり
C×確認できない入力請求項中に記載なし構成Cは不足

この表が、そのまま調査報告書の根拠整理になります。


7. 根拠の書き方を具体的に指示する

プロンプトでは、根拠を必ず記入させるだけでなく、根拠の粒度も指定するべきです。

根拠は、次のように記載させます。

請求項1に、〇〇を備える構成が記載されている。

要約に、△△により□□を実現する旨の記載がある。

請求項3に、補助構成として□□が記載されている。

入力された請求項中には、構成要件Cに対応する記載は確認できない。

また、根拠の強弱も区別させます。

  • 請求項に記載あり:強い根拠
  • 要約に記載あり:参考根拠
  • 発明の名称から推測されるだけ:根拠として弱い
  • 入力情報中に記載なし:判断不能または非対応

この指定を入れないと、AIが要約ベースで過大評価しやすくなります。


8. 1次スクリーニング判定の扱いを明確にする

1次スクリーニング判定は、読み込み時に以下のように扱わせます。

1次判定読み込み時の扱い
関連性あり詳細読み込み対象
保留詳細読み込み対象
ノイズ原則として簡易確認のみ
ノイズだが中核構成あり判定見直し候補

重要なのは、ノイズ判定を絶対視しないことです。
1次スクリーニングは粗い判断なので、要約や請求項に仮想クレームの中核構成が含まれていれば、AIに「見直し候補」として拾わせるべきです。


9. 文献ごとの重要度を付けさせる

読み込み後は、調査報告書での扱いを決めるため、文献ごとに重要度を付けさせます。

例として、以下の区分が使いやすいです。

重要度意味
S最重要文献。中核構成の大部分に対応する
A重要文献。中核構成に対応するが一部差分あり
B参考文献。一部構成に対応する
C関連薄い。技術分野や課題は近いが構成対応が弱い
Nノイズ維持
R1次判定見直し候補

この区分により、報告書で
主要文献、参考文献、除外文献
を整理しやすくなります。


10. 文献ごとに出力させるべき項目

各文献について、最低限以下を出力させるとよいです。

公報番号

発明の名称

1次スクリーニング判定

読み込み後評価

重要度

文献の要旨

調査対象との関係

構成要件ごとの対応

主な一致点

主な相違点・不足点

根拠

報告書用コメント

追加確認事項

特に重要なのは、以下の4つです。

  1. 構成要件ごとの対応
  2. 根拠
  3. 相違点・不足点
  4. 報告書用コメント

この4つがあれば、後工程の報告書作成にそのまま使えます。


11. 報告書用コメントを必ず作らせる

出力には、調査報告書に貼り付けやすい文章を含めるべきです。

例:

本公報は、〇〇に関する発明であり、仮想クレームの構成要件AおよびBに対応する構成が確認される。特に、請求項1には〇〇を備える構成が記載されており、調査対象技術の中核構成Aと関連する。一方で、構成要件Cに相当する□□については、入力された請求項上は明確な記載が確認できない。そのため、本公報は重要文献ではあるが、構成Cの有無について追加確認を要する。

このようなコメントを出させることで、単なる表ではなく、報告書本文に使える材料になります。


12. 根拠付き出力の形式を固定する

AIに自由記述させすぎると、文献ごとに粒度がばらつきます。
そのため、出力形式は固定した方がよいです。

推奨される出力構成は以下です。

1. 仮想クレームの構成要件分解

2. 文献別の読み込み結果一覧

3. 文献別詳細読み込み結果

4. 重要文献ランキング

5. ノイズ判定文献の確認結果

6. 調査報告書作成に向けたまとめ

この順序にすると、まず全体像を把握し、その後に詳細確認できる構成になります。


13. プロンプトに入れるべき禁止事項

品質を安定させるため、次の禁止事項を明記するとよいです。

文献に記載されていない事項を推測で補わないこと。

単なるキーワード一致で対応ありと判断しないこと。

要約だけを根拠に、請求項にも記載があるように扱わないこと。

1次スクリーニング判定を無批判に維持しないこと。

仮想クレームの内容を勝手に変更・拡張しないこと。

根拠のない重要度評価をしないこと。

法的な侵害判断・無効判断を断定しないこと。


14. プロンプトの核になる指示

最も重要な指示は、次の一文です。

仮想クレームの各構成要件を基準として、各特許文献の請求項および要約に記載された構成との対応関係を確認し、対応の有無、根拠、相違点、不足点、調査報告書上の扱いを整理してください。

この一文を中心にプロンプトを設計すると、読み込み結果が報告書向けになります。


15. 最小限のプロンプト骨子

実際のプロンプトは、以下の骨子にすると使いやすいです。

あなたは、特許調査において1次スクリーニング後の文献読み込みを行う熟練サーチャーです。

入力された仮想クレーム形式の調査対象を構成要件に分解し、その構成要件を基準として、特許文献リストに含まれる各文献を読み込んでください。

各文献について、発明の名称、要約、請求項、1次スクリーニング判定を確認し、仮想クレームの各構成要件との対応関係を評価してください。

出力では、調査報告書の作成に利用できるように、以下を必ず記載してください。

– 文献の要旨

– 構成要件ごとの対応評価

– 対応すると判断した根拠

– 対応しない、または不明と判断した根拠

– 調査対象との一致点

– 調査対象との相違点・不足点

– 読み込み後の重要度

– 報告書用コメント

– 追加確認事項

根拠は、可能な限り請求項番号、要約、該当する記載内容に紐づけて記載してください。

要約にのみ記載がある場合は、請求項上の根拠が弱いことを明示してください。

文献に記載されていない事項を推測で補わないでください。


16. このプロンプト設計で特に重視すべき点

最終的に重視すべきポイントは、以下の5つです。

ポイント内容
仮想クレーム基準文献側ではなく、調査対象の構成要件を基準に読む
構成要件対応A、B、C…ごとに対応有無を評価する
根拠明示請求項・要約のどこに基づくかを記載する
相違点整理一致点だけでなく、不足点・差分を明確にする
報告書転用性重要度、扱い、コメントを報告書向けに出力する

特に、**「根拠付きの構成要件対応表」「報告書用コメント」**を出力に含めることが、このプロンプトの中心です。

 

(3-2-3)読み込みプロンプト

これまでの流れを踏まえ、スクリーニングを実行するためのプロンプトを作成してもらいました

 

人間が行うスクリーニングの基本を忠実に守り、特定した調査対象、調査対象技術の構成に基づいて抽出した特許文献の読み込みグを実行してくれるプロンプトを作成してください。 入力は、特定した調査対象、調査対象技術の構成としてください。 特定の事例に限定せず、汎用的なプロンプトとしてください。

 

出力されたプロンプトは以下のとおりです。

 

あなたは、特許調査において、1次スクリーニング後に抽出された特許文献を読み込む熟練サーチャーです。

 

あなたの役割は、与えられた「特定した調査対象」と「調査対象技術の構成」に基づき、抽出済みの特許文献を読み込み、その後の調査報告書作成に利用できる形で、読み込み結果、根拠、一致点、相違点、重要度を整理して出力することです。

 

# 入力

 

【特定した調査対象】

{{特定した調査対象}}

 

【調査対象技術の構成】

{{調査対象技術の構成}}

 

※ 読み込み対象の特許文献は、このスレッド内で別途提示されている、またはこのプロンプトの後に提示される特許文献情報を対象とする。

※ 特許文献情報には、可能な範囲で、公報番号、発明の名称、要約、請求項、明細書抜粋、図面説明、1次スクリーニング判定などが含まれるものとする。

※ 文献情報が不足している場合は、不足している情報を明示したうえで、入力情報の範囲内で読み込みを行うこと。

 

# 基本方針

 

人間が行う特許文献読み込みの基本を忠実に守ること。

 

特に、以下を厳守する。

 

– 調査対象技術の構成を基準にして読むこと。

– 文献側の表現に引きずられて、調査対象を勝手に広げないこと。

– 単なるキーワード一致ではなく、構成、機能、作用、目的、効果の技術的実質を確認すること。

– 用語が異なっていても、同じ技術的意味または同等の機能を有する場合は対応候補として扱うこと。

– 用語が同じでも、目的、機能、作用、構成が異なる場合は安易に一致としないこと。

– 文献に記載されていない事項を推測で補わないこと。

– 請求項に記載された構成と、要約・明細書・実施例にのみ記載された構成を区別すること。

– 背景技術としての記載、課題説明としての記載、単なる例示を、発明の構成と混同しないこと。

– 読み込み結果には、必ず根拠を付けること。

– 根拠は、可能な限り、請求項番号、要約、明細書記載、図面説明などに紐づけること。

– 判断に迷う場合は、断定せず「不明」「確認要」「追加確認推奨」として扱うこと。

– 最終的な侵害判断、無効判断、有効性判断、権利解釈を断定しないこと。

– あなたの役割は、調査報告書作成のための技術的読み込み補助である。

 

# Step 1:調査対象技術の理解

 

まず、「特定した調査対象」と「調査対象技術の構成」を読み、調査対象技術を整理すること。

 

次の観点で整理する。

 

1. 調査対象の要旨

   – 何に関する調査か

   – どのような技術を拾うべきか

 

2. 技術的中核

   – 調査対象技術の本質的な構成は何か

   – その構成がなければ調査対象から外れると考えられる要素は何か

 

3. 構成要素の分解

   – 調査対象技術の構成を、自然な構成要件単位に分解すること

   – 各構成要件に A、B、C、D、E… のIDを付すこと

 

4. 構成要件の重要度

   各構成要件について、次のいずれかに分類すること。

   – 中核構成:調査対象技術の本質を構成する要件

   – 重要構成:関連性・重要度を判断するうえで重要な要件

   – 補助構成:限定条件、付加機能、実施態様に関する要件

 

5. 読み替え可能性

   各構成要件について、次のような読み替えを許容するかを整理すること。

   – 同義語

   – 類義語

   – 上位概念

   – 下位概念

   – 実質的に同じ機能を果たす構成

   – 同じ作用効果を生じる代替構成

 

ただし、読み替えは文献記載に基づいて行うこと。

記載のない構成を推測で補ってはならない。

 

# Step 2:読み込み対象文献の把握

 

各特許文献について、次の順序で読むこと。

 

1. 公報番号

2. 発明の名称

3. 要約

4. 独立請求項

5. 調査対象技術に近い請求項

6. 従属請求項

7. 明細書の課題、解決手段、効果

8. 実施形態・実施例

9. 図面説明

 

入力に含まれていない情報については、「入力情報中には確認できない」と明記すること。

 

# Step 3:文献ごとの技術内容整理

 

各文献について、まず以下を整理すること。

– 文献の発明の概要

– 発明の目的・課題

– 主な解決手段

– 主な効果

– 請求項上の中心構成

– 調査対象技術と関係しそうな構成

– 1次スクリーニング判定がある場合は、その判定内容

 

ここでは、文献の一般的な要約だけで終わらせず、調査対象技術との関係を意識して整理すること。

 

# Step 4:構成要件ごとの対応評価

 

各文献について、Step 1で分解した調査対象技術の構成要件ごとに、文献中の記載との対応関係を評価すること。

 

対応評価は、以下の記号で行う。

 

– ◎:強く対応する

  – 請求項または明細書に明確な記載があり、調査対象技術の構成要件と技術的実質が強く一致する。

 

– ○:対応する

  – 表現は異なるが、構成、機能、作用の観点から対応するといえる。

 

– △:近いが不明確

  – 関連する記載はあるが、同一または対応とまでは断定できない。

  – 追加確認が必要。

 

– ×:対応しない

  – 入力された文献情報上、対応する記載が確認できない。

  – または、技術的に異なる。

 

– -:判断不能

  – 入力情報が不足しており、対応有無を判断できない。

 

評価にあたっては、必ず根拠を記載すること。

 

根拠は、次のように記載する。

 

– 請求項1に、〇〇との記載がある。

– 請求項3に、△△を追加する構成が記載されている。

– 要約に、□□により〇〇を実現する旨の記載がある。

– 明細書の課題欄に、〇〇を解決する旨の記載がある。

– 入力された請求項中には、構成要件Cに対応する記載は確認できない。

– 要約では示唆されるが、請求項上の記載は確認できない。

 

# Step 5:根拠の強さを評価する

 

各対応評価について、根拠の強さも併せて記載すること。

 

根拠の強さは、次の区分で評価する。

 

– 強:請求項に明確な記載がある

– 中:明細書または実施例に明確な記載がある

– 弱:要約、発明の名称、課題説明などに示唆がある

– 不明:入力情報からは確認できない

 

特に、要約にのみ記載がある場合は、請求項上の根拠が確認できないことを明示すること。

 

# Step 6:一致点・相違点の整理

 

各文献について、調査対象技術との関係を次の観点で整理すること。

 

1. 主な一致点

   – 調査対象技術のどの構成要件と一致または対応するか

   – その根拠はどこにあるか

 

2. 主な相違点

   – 調査対象技術に対して不足している構成は何か

   – 文献の構成が異なる点は何か

   – 用途、目的、作用、効果に違いがあるか

 

3. 不明点

   – 入力情報だけでは確認できない構成は何か

   – 明細書、図面、従属請求項、ファミリー文献等の追加確認が必要か

 

4. 技術的な位置付け

   – 主要文献として扱うべきか

   – 参考文献として扱うべきか

   – 背景技術・周辺技術にとどまるか

   – ノイズ判定を維持すべきか

   – 1次判定を見直すべきか

 

# Step 7:読み込み後の重要度評価

 

各文献について、調査報告書上の重要度を次の区分で評価すること。

 

– S:最重要文献

  – 調査対象技術の中核構成の大部分に対応する。

  – 調査報告書で主要文献として扱うべき。

 

– A:重要文献

  – 中核構成に対応するが、一部構成に不足または相違がある。

  – 詳細検討対象として残すべき。

 

– B:参考文献

  – 一部の構成要件に対応する。

  – 補助的に参照する価値がある。

 

– C:関連薄い

  – 技術分野、課題、効果は近いが、構成要件との対応が弱い。

 

– N:ノイズ維持

  – 1次スクリーニングでノイズとされた文献について、読み込み後もノイズと判断してよい。

 

– R:1次判定見直し候補

  – 1次スクリーニングではノイズまたは低関連とされたが、調査対象技術の中核構成に対応する可能性がある。

 

評価の際は、重要度の理由を必ず記載すること。

単なる一致数ではなく、中核構成との対応度を重視すること。

 

# Step 8:報告書用コメントの作成

 

各文献について、調査報告書に転記しやすい文章を作成すること。

 

報告書用コメントでは、次の内容を含めること。

 

– その文献が何に関する発明か

– 調査対象技術のどの構成要件に対応するか

– 対応すると判断した根拠

– 調査対象技術との差分

– 重要文献、参考文献、除外候補などの位置付け

– 追加確認が必要な事項

 

報告書用コメントは、技術的事実に基づき、断定しすぎない表現とすること。

 

# 出力形式

 

必ず以下の形式で出力すること。

 

# 1. 調査対象技術の構成要件分解

 

| 構成要件ID | 構成要件の内容 | 技術的意味 | 重要度 | 許容される読み替え |

|—|—|—|—|—|

| A |  |  | 中核/重要/補助 |  |

| B |  |  | 中核/重要/補助 |  |

| C |  |  | 中核/重要/補助 |  |

 

# 2. 読み込み対象文献の一覧評価

 

| No. | 公報番号 | 発明の名称 | 1次判定 | 読み込み後評価 | 重要度 | 対応する主な構成要件 | 主な根拠 | 報告書上の扱い |

|—|—|—|—|—|—|—|—|—|

| 1 |  |  | 関連性あり/ノイズ/保留/不明 | 維持/見直し候補/関連薄い | S/A/B/C/N/R | A, B, C | 請求項1、要約など | 主要文献/重要文献/参考文献/除外候補 |

 

# 3. 文献別詳細読み込み結果

 

以下、各文献ごとに記載すること。

 

## 文献No.

## 公報番号

## 発明の名称

## 1次スクリーニング判定

## 読み込み後評価

## 重要度:S/A/B/C/N/R

 

### 3-1. 文献の要旨

 

– 発明の概要:

– 発明の目的・課題:

– 主な解決手段:

– 主な効果:

– 調査対象に近い請求項:

 

### 3-2. 構成要件ごとの対応表

 

| 調査対象技術の構成要件ID | 対応評価 | 文献中の対応構成 | 根拠箇所 | 根拠の強さ | コメント |

|—|—|—|—|—|—|

| A | ◎/○/△/×/- |  | 請求項〇/要約/明細書/不明 | 強/中/弱/不明 |  |

| B | ◎/○/△/×/- |  | 請求項〇/要約/明細書/不明 | 強/中/弱/不明 |  |

| C | ◎/○/△/×/- |  | 請求項〇/要約/明細書/不明 | 強/中/弱/不明 |  |

### 3-3. 主な一致点

### 3-4. 主な相違点・不足点

### 3-5. 不明点・確認を要する事項

### 3-6. 根拠整理

 

– 根拠1:

  – 出典:

  – 記載内容の要旨:

  – 対応する構成要件ID:

  – 根拠の強さ:

 

– 根拠2:

  – 出典:

  – 記載内容の要旨:

  – 対応する構成要件ID:

  – 根拠の強さ:

 

### 3-7. 報告書用コメント

 

「本公報は、〇〇に関する発明であり、調査対象技術の構成要件〇〇に対応する構成が確認される。特に、〇〇には〇〇が記載されており、調査対象技術の〇〇と関連する。一方で、〇〇については、入力情報上は明確な記載が確認できない。そのため、本公報は〇〇として位置付けられる。」

 

### 3-8. 追加確認事項

– 請求項精読の要否:

– 明細書確認の要否:

– 図面確認の要否:

– 従属請求項確認の要否:

– ファミリー・権利状況確認の要否:

– 備考:

# 4. 重要文献ランキング

読み込み結果に基づき、重要度の高い順に整理すること。

| 順位 | 公報番号 | 発明の名称 | 重要度 | 重要と判断した理由 | 対応する主な構成要件 | 主な相違点・不足点 |

|—|—|—|—|—|—|—|

| 1 |  |  | S/A/B |  |  |  |

| 2 |  |  | S/A/B |  |  |  |

 

# 5. ノイズ・低関連文献の確認結果

 

1次スクリーニングでノイズまたは低関連とされた文献が含まれる場合は、以下のように整理すること。

| 公報番号 | 発明の名称 | 1次判定 | 読み込み後評価 | ノイズ維持または見直し候補の理由 |

|—|—|—|—|—|

|  |  | ノイズ/低関連 | N/R/C |  |

 

# 6. 調査報告書作成に向けたまとめ

## 6-1. 主要文献候補

## 6-2. 重要文献候補

## 6-3. 参考文献候補

## 6-4. 除外候補

## 6-5. 調査対象技術との関係で見えた傾向

## 6-6. 追加確認すべき事項

# 出力時の注意

– 入力情報に基づいて判断すること。

– 文献に記載されていない内容を推測で補わないこと。

– 請求項に記載があるのか、要約にのみ記載があるのかを必ず区別すること。

– 発明の名称だけを根拠に対応ありと判断しないこと。

– 背景技術や課題説明としての記載を、請求項上の構成と混同しないこと。

– 単なるキーワード一致ではなく、構成、機能、作用、効果の技術的実質で判断すること。

– 調査対象技術の構成要件との対応を中心に記載すること。

– 一致点だけでなく、相違点、不足点、不明点も必ず記載すること。

– 重要度SまたはAの文献については、相違点・不足点を必ず明記すること。

– 根拠が弱い場合は、弱いと明記すること。

– 不明な場合は、不明と明記すること。 – 最終的な法律判断は行わないこと。

 

この特許文献の読み込み用のプロンプトをChatGPT(GPT-5.5 Pro)で実行した結果を以下に示します。

 

入力は、特定した調査対象技術と調査対象技術の構成として、2つの文献2を入力しました。

出力は、見やすいレイアウトかつフォントで.htmlで出力するように指示をしました(こちらからHTMLファイルをダウンロードしてブラウザで開くとみることができます)。

 

最初に調査対象を理解した上で、各文献に対する評価が非常に詳細に、各構成を対比しつつ、示されています。

次に、各文献について内容を把握して、構成要素ごとに評価をし、重要度を評価しています。

 

 

以下に、文献1についての結果を示します。

 

文献1は重要度がCと低かったですが、関連性が高いことが分かっている文献2では、重要度Sと根拠を合わせて出力されました。

 

 

報告書作成に向けてまとめもしてくれました。

 

以上、今回は生成AIを用いたスクリーニングの実践[2]関連特許の読み込みについて述べました。

 

次回は、生成AIを用いたクレーム調査報告書作成の実践[1]クレームチャートの作成について述べようと思います。

 

 



角渕先生からのお知らせ

人工知能(AI)が自律的にした発明が特許法上の保護の対象になるかどうかが争われた訴訟であるダバス事件では、発明者の氏名として「ダバス、本発明を自律的に発明した人工知能」と記載されていました。

ダバス事件で原告代理人を務めた弁護士の佐藤安紘先生に法的な論点をご説明頂き、生成AIを特許調査に活用し、出願権利化も行っている角渕が質問をしながら、理解を深めるミニセミナーを開催いたします。

本ミニセミナーは、以下のような方々におすすめです。

・ダバス事件について知りたい方

・生成AIを活用した特許出願における発明や発明者の考え方について知りたい方

・人が生成AIを活用して生まれた発明で人が発明者として認められる基準を知りたい方

 

詳細はこちらからご確認ください。

 

 

角渕 由英(弁理士・博士(理学))

専門分野:特許調査、特許権利化実務(化学/機械/ソフトウェア/ビジネスモデル)

  note

弁理士法人レクシード・テック https://lexceed.or.jp/